匿名者のためのスピカ (祥伝社文庫)

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本棚登録 : 100
レビュー : 8
著者 :
mitsukiさん 2018年   読み終わった 

この量で、こういう重いテーマを書ききるのは、ちょっと無理があるかな、と思う。
あ。以下、ややネタバレ気味。注意。



結局、どの登場人物にも感情移入出来ないままで終わってしまった感。
いや、今のところの最新刊『ファーストラヴ』と比較して読ませたかったのなら、まあ、分からなくもないかも。
これがドハマリした方には、オススメです。

悲劇のヒロインの中でしか自分を見出せない景織子にも、そんな彼女を助けるという正しさだけで、本当の彼女と向き合っていこうとまでは出来ない修吾にも、心は動かされない。
むしろ、景織子については、結局自分が落ち着くための「アナタが良い人だから、私じゃあ勿体無いわ、サヨウナラ」パターンかよ、と思ってしまった。
昔から、男の人が視点となる恋愛漫画やアニメで、薄幸(そうな)美女が、そうやって去っていくパターンを、うさんくさい目で見てきた自分だ。
まあ、「君が幸せになるなら、僕は退くよ、サヨウナラ」パターンもまったく同じ意味で、白けていたものです。

だって、相手がどうかは完全無視だから。
相手を傷つけまいとするのは、自分が傷つきたくないからだと、確かにそう思う。
えらく、本筋から離れて語ってしまった。

ただ、二人を巡る事件に、一見大して関心もなさそうなのに、ものすごく首を突っ込んでくる七澤くんは好きだな、と思った(笑)
自分がかつて置かれた境遇に引き寄せられているのだと、太一さんは言うけれど、七澤くんは自分のためとか、修吾や景織子を傷つけるために、動いたのではないように思う。
そういう不器用さが唯一良かったので、七澤くんのその後、立派な検察官になれたかを知りたいなぁと思ったのでした。

レビュー投稿日
2018年7月6日
読了日
2018年7月6日
本棚登録日
2018年7月6日
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