ヒトの心はどう進化したのか: 狩猟採集生活が生んだもの (ちくま新書)

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本棚登録 : 141
レビュー : 16
著者 :
mitsukiさん 2019年   読み終わった 

第一部、第二部と、人間の特徴や歴史的経緯といった人類学の入門書としての趣が強い。
教科書レベルのことから、初めて読むにはちょうど良くもあるのだけど、若干物足りない感。

個人的には山極寿一、尾本恵市の『日本の人類学』という同じ筑摩から出ている新書の方が面白かったので、紐付けておく。

タイトルから想像したのは第三部で、人間の心と言葉、記憶がどんな風に結び付いているかということが書かれている。
ここが中心だったら良かったかな、と思う。

「ほかの霊長類と比べてみても、ヒトの平均寿命は、抜きん出て長い。ほかの動物の場合、生殖能力を失う時期が生物としての役目を終える時期にほぼ相当することがほとんどなのに対し、ヒトの場合には、たとえば女性は閉経しても、その後数十年は生きる。」

で、著者は祖母が娘の出産子育てに関わるからだという仮説を紹介し、ツッコむのだけど。
「イクメン」ならぬ「イクババ」?
というか、動物にとって生殖が生きることの最大目的なら、人間が生きるってなんなんだろうと結構深く悩む。
政治家が、産まない女はどうのこうの、と顰蹙買うようなセリフをのたまっていらっしゃったが、そういう人がこの「イクババになり得るから、閉経しても生きてんだよ」説を支持するんだろう。

「狩りをする動物や社会を構成する動物、なかでも一人前になるのに時間がかかるような動物は、よく遊ぶ。……つまり、子ども時代に、狩りのしかたや狩りの対象を覚え、仲間とうまくやってゆくための、あるいは敵に対処するためのスキルを習得する。」

怪我をすることや、傷付くことも、こうしたシミュレーションの中で学んでいく。
初めて聞いたことではないけど、そう考えると今の遊びって「本能的」ではないことになるのか。
いや、シミュレーションがそもそもヴァーチャルな世界に向けられていることが間違いなのか。
それとも、一人であることが問題なのか。

レビュー投稿日
2019年1月14日
読了日
2019年1月14日
本棚登録日
2019年1月14日
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