危機と人類(上)

  • 日本経済新聞出版 (2019年10月26日発売)
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本棚登録 : 874
感想 : 87
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「危機」という言葉に惹かれる私。

なんで、そんな本読んでるの?と奇異な目で見られもしたのですが、正直言います。
めっちゃ分かりやすいし、面白いです。

ジャレド・ダイアモンドといえば『銃・病原菌・鉄』を思い出す方が多いのではないでしょうか。
本書は、国家の危機を乗り越える要因として、12項目を挙げ、それぞれの国がどのような項目をクリアして、危機を乗り越えたかが述べられています。

上巻ではフィンランド、明治日本、チリ、インドネシアを取り上げているのですが。
フィンランドといえば、教育!(と、かもめ食堂と、ムーミンと、サルミアッキ)しか知らなかった私ではありますが、じゃあなんで教育なんだ、となった時に、世界大戦から続く危機的状況が背後にあったとは!と目からウロコでした。

私の好きな「地政学的制約」についても、美味しく調理してくれ、満足。

続く、明治期の日本についても、選択的変化を採用し、国自体を、そして国が残したいものまで残せた好例として書かれています。
日本を外側から見た意見として面白く読みました。

チリのピノチェト、インドネシアのスカルノ、スハルトと、デヴィ夫人くらいの知識の私でも、この三人の名前、覚えられました(笑)
ちなみに、国家的危機を扱ってはいるのですが、筆者はこの12項目は個人的危機にも当てはまると述べ、個人的危機12項目についても解説しています。

下巻に進む!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2019年
感想投稿日 : 2019年11月9日
読了日 : 2019年11月9日
本棚登録日 : 2019年11月9日

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