宮部みゆきにとって2作目の絵本。
小説「悲嘆の門」の作中作品が、佐竹美保の美しい絵で、素晴らしい作品となった。
「悲嘆の門」では、主人公の大学生のアルバイト先、ネットパトロール会社の社名の由来になっている。ネットという見えない世界をパトロールする見えない怪獣。パトロールの対象だけでなく、パトロールする自分自身もある意味では怪獣なのだと。
絵本の主人公は、美しいフィヨルドを見渡す山に住んでいる怪獣、クマー。
美しい自然と豊かな四季に恵まれている。
クマーは不思議なツノの力で、姿が見えない。
わるい怪獣と戦って、ヨーレの街を守っているクマー。
しかし、怪獣との戦いで、そのツノが折れてしまう。
わぁ、たいへんだ!
街の人々の前に、はじめて姿を現したクマー。
水面に映る自分の姿を、はじめて目にしたクマー。
大切なものが目に見えた時、その本当の姿が見えているのだろうか。
宮部みゆきが語りかける、美しくて、深くて、眠れなくなる物語。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年1月5日
- 読了日 : 2017年1月4日
- 本棚登録日 : 2017年1月5日
みんなの感想をみる