あさきゆめみし 完全版8

著者 :
  • 講談社 (2017年2月23日発売)
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感想 : 3
5

いにしへの 秋の夕べの 恋しきに
 今はと見えし あけぐれの夢
 
ーー昔、あの時の秋の夕べが思い出されて恋しさがつのります。
 今となっては夢のように儚く悲しいことですがーー

 またもや愛する人を失ってしまった。

 いかに、財産に恵まれようとも。
 いかに、健康で容姿端麗に生まれていたとしても。

 人間は自身に課せられた宿命から逃れることができない。

 そこから祈りが生まれ、芸術になっていった。


もの思ふと過ぐる月日も知らぬ間に
 年もわが世も今日や尽きぬる

ーー物思いに月日のたつのも忘れているうちに
 この年もわが世もきょうで終るのだーー


色はにほへど散りぬるを
 我が世たれぞ常ならむ

有為の奥山今日越えて
 浅き夢見じ酔ひもせず

ーー匂いたつような色の花も散ってしまう。この世で誰が不変でいられよう。
 いま現世を超越し、はかない夢をみたり、酔いにふけったりすまいーー

 千年の時空を超えて読みつがれてきた美しくも狂おしい物語は、源氏の生老病死への苦悩と、その闘いに尽きていく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月28日
読了日 : 2021年1月28日
本棚登録日 : 2021年1月28日

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