八日目の蝉 (中公文庫)

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本棚登録 : 14653
レビュー : 1998
著者 :
mitu310さん  未設定  読み終わった 

不倫相手の新生児を発作的に誘拐してしまった希和子。

友人宅へ。
立ち退きを拒み居座る老女宅へ。
社会から隔離された「エンジェルホーム」へ。
そこで知り合った久美の実家のある小豆島へ。

薫と名付けた少女が4歳になり、小豆島からも逃げようとした時、希和子は逮捕される。

「誘拐犯に育てられた子」として、薫でなく恵理菜としての人生が突然はじまる。

家庭はめちゃくちゃ。友達もいない。だが、帰るところもない。

大学へ進学した真理菜は、ひとり暮らしをはじめる。

そして、妻子ある人の子どもを身ごもってしまう。

21年前のあの人のように。

「八日目の蝉」というタイトルは、七日で死ぬ蝉の断末魔の叫びを思わせた。

だが、読後に全く逆の意味があることを知る。

どんなに救いようのない状況でも。

明日が見えない絶望の中でも。

怨んで怨んで怨み抜いても。

苦しんで苦しんで苦しみ抜いても。

生きていること以上の宝はない。

生きて見つめる景色こそ、その足で歩む人生こそ。

宿命の中でも生き抜く素晴らしさを描いた、角田光代の人間賛歌。

レビュー投稿日
2019年10月3日
読了日
2019年10月2日
本棚登録日
2019年10月3日
9
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