フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女何」。鮮烈なウルトラマリン・ブルーは青い宝石ラピスラズリで、はるばる地中海を越えアフガニスタンから運ばれてきた。少女のターバンに用いられている黄色はインディアンイエローと呼ばれインド産。ひときわ目を引くその耳飾りは、アジア伝来の宝石であり、エキゾチックなドレスは日本の打掛を思わせる。振り返ったポーズは浮世絵「見返り美人」を思わせ、画面は、当時オランダの視界の前に開けていた広大な世界を凝縮してみせてもいる。
何気ない日常の一瞬を描いた画面が不思議と謎めいた美を放つフェルメール。この謎を解き明かすことを通して私たちの暮らす日常の一瞬一瞬が絵画にも匹敵するような美に満ちていることを実感できる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芸術
- 感想投稿日 : 2019年2月24日
- 読了日 : 2019年2月24日
- 本棚登録日 : 2019年2月24日
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