死化粧 (角川文庫)

  • 角川書店 (1971年5月18日発売)
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本棚登録 : 65
感想 : 6
5

本当にまじめな作品。
医師という視点で真っ向勝負しています。

と、言うか医師という職業は
あこがれるものだけれども
なってしまうとどこか冷めた
視点になってしまうようです。

表題作がその際たるものでしょう。
彼はもう、肉親の死を悟っていたのです。
だけれども、それを分かち合えるものはいない…

そんな中、手術のときは
どうしても情がわくのでしょうね。
思わぬ行動をとるのですから。

最後に出てくる「霙」も
やるせなさを覚えます。
どうしても、弱者に対する偏見
蔑視はなくならないでしょうね。
そう、人が持つ醜い感情「優越感」が
邪魔をするのですから…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一般小説
感想投稿日 : 2014年8月18日
読了日 : 2014年8月18日
本棚登録日 : 2014年8月18日

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