豆の上で眠る (新潮文庫)

3.25
  • (68)
  • (275)
  • (483)
  • (125)
  • (20)
本棚登録 : 3886
レビュー : 378
著者 :
yumiさん  未設定  読み終わった 

妹は元々姉に対して劣等感を持っていて、
姉が失踪している期間はそれが無くなるかと思えば、
かえって姉に対しての思いが強くなり
苦しい関係はいつになっても拭いきれなくて読んでいくうちの
妹の結衣子が可愛そうに思えてきました。

姉妹というのは仲が良いと人が羨ましがるほどなのに、
この姉妹のように仲が悪い場合だと
こんな風なケースになるのかなと思ってしまいました。
異性の兄弟の微妙な心境というもの垣間見れた気がします。

姉が時には妹だけでなく祖母の目から見ても
今までの姉とは明かに違うという思いがしたのは
何かあるのかと思い、真相が徐々に暴かれるまでは
ワクワクして読んでいました。
けれど真相に辿り着くまでにはかなり長かったのでもどかしかったです。

それにしてもこの母親の育て方は同じ姉妹なのに
扱い方に差がありすぎたり、
周囲の対して気にし過ぎたり、言わゆる世間体というのを気にしすぎで
こんな母親の下にいるのは心が歪んでしまいそうです。
そんな思いも妹に影響があるように思えていたたまれなかったです。
そんな時にふと寄り添うように祖母さんがいてくれたのが
少し救いだったようにも感じられました。

真相を明かすことになってからは
特に劇的なラストということではなかったですが、
結局はある人の親のエゴでこんな苦しい思いをさせられ、
人生を翻弄させられてしまったのかと思うと
妹だけでなく子供たちにとっていい迷惑だったと思ってしまいます。

「本ものってなんですか?」
という疑問がありますが、
果たして本物は今まで時間を重ねてきたモノなのか、
それとも科学的に証明されたモノなのか
これは永遠の謎になりそうな気がしました。

こうやって疑問を投げかけておいて、
いつまでもそれを気にさせておくというのが
またこの作品のタイトルのモチーフにもなっている
「えんどう豆の上にねたおひめさま」のような
状態にしているのかと思ってしまい
ラストまで気が抜けなく楽しました。

レビュー投稿日
2017年7月18日
読了日
2017年7月18日
本棚登録日
2017年7月18日
5
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『豆の上で眠る (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『豆の上で眠る (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする