日本文学史 - 古代・中世篇三 (中公文庫 キ 3-29)

  • 中央公論新社 (2013年5月23日発売)
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感想 : 6
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いよいよ古代・中世篇のクライマックスともいえる「枕草子」と「源氏物語」が登場です。それにしても、1000年前が女性の才能をこれほど花開かせる社会だった、というのは、日本は女系社会だった、という証左でしょうか。

おもしろかったのは、「説話文学」の章で述べられている日本的ヒーロー論。河合隼雄氏の浦島太郎論“このヒーローは英雄的な戦いで女性を獲得するのではなく、むしろ女性によって捕らえられる”を引用し、日本的ヒーローは受動的で、西洋人にとっては不完全と思われる、と述べています。これも、日本が女系社会だったということと関連していそう。

西洋の視点からみた日本文学史っていうのも、この本の面白さの一つです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2013年12月2日
読了日 : 2013年11月30日
本棚登録日 : 2013年12月1日

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