ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

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レビュー : 1836
著者 :
沓さん  未設定  読み終わった 

多数派や権威ある人の発言や見解に対し、ほとんど何の疑いも持たずに「その通りだ」と同調してしまう人たちがいる。私自身、子どもの頃から、そんな人たちを好ましく思っていなかったが、本書の主人公、秀美もきっとそうだろうと思った。
「○をつけよ」にある、秀美の言葉には深く共感した。

>事実は、本当は、何も呼び起こしたりしない。そこに、丸印、ばつ印をつけるのは間違っていると、ぼくは思うのだ。父親がいないという事実に、白黒は付けられないし、そぐわない。何故なら、それは、ただの絶対でしかないからだ。

>ぼくが、昔から憎んだのは、第三者の発する「やっぱりねえ」という言葉だった。ぼくは、その逆説を証明することで、自分自身の内の正論を作り上げて来たのだ。それは、ぼくは、ぼくである、というそのことだ。他人が語れる存在にはならないという決意だ。

自分自身が、見知らぬ誰かに乗っ取られることのないよう、これからも注意を払って生きていきたい。自分の意思で自分の考えを持ち、自分の言葉で人に伝えられる己でありたい。もしも人から誤りを指摘されたとしても、誰かのせいにするのではなく、自分の責任として受け止められるようにありたい。改めて、そう思った。

レビュー投稿日
2020年1月3日
読了日
2020年1月3日
本棚登録日
2020年1月3日
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