マリー・ローランサンが好きだ。
図書館で蔵書検索して何冊かヒットしたなかで、すぐによめそうだったので、借りた。
ローランサンの心のアパートの住人をたずねるという体で、見開き1Pのなかに、絵とその絵に関する文をそれぞれ載せている。
*******
汚れのない 白
ひめやかな 青
さびしげな 灰色
夢みるような ピンク色
ローランサンの 絵は
ふんわりしていて
ほのかに 甘い
そして ちょっぴり ほろにがい
やわらかな 色が とけあって
やさしい ひとときが うかびあがる
*******
冒頭のこの文章に強く共感した。
思っていたことを言葉にしてもらえたようで、嬉しくなると同時に、ローランサンの絵にもっと浸りたいという願望が急激にわき起こってきた。
美術館や画集で目にしたことのあるものも、このような本の流れで観ると、また新たな感覚で眺めることができる。
シャネルの肖像は初めてみたけれど、色彩も表情も暗くて、シャネルの気に入らないのもわかるような気がした。
切なさや気だるさ、優しさやかなしさ、いろいろなふわふわしたものたちが、胸のなかにあふれてくる。
ああ、すてき。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
700 芸術
- 感想投稿日 : 2014年7月26日
- 読了日 : 2014年7月26日
- 本棚登録日 : 2014年7月14日
みんなの感想をみる