なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか

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本棚登録 : 47
レビュー : 4
制作 : Jean Baudrillard  塚原 史 
mizutetsuさん 哲学   読み終わった 

ボードリャールはいつも謎めいているけれども、
もっとも率直に言おうとするが為の難解さであると思う。

要するに取り扱おうとしている対象が
あらかじめ両義的であるような場合はそうなる。

消滅こそが生き延びる唯一の方法であるような現実。
(この現実が生き延びるために、と言っている)

「なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか」という表題の問いは
おそらくは挑発でもある。単に本を手に取らせるため、というだけでなく
圧倒的に絶望的な状況を描写しながらも、
深い現実性のイメージの海に沈んだ現実の存在を
思い起こさせようとしているのではないか。

これはこの本の感想としては逆説的な解釈でもあると思うが、
そう考えないことには、
彼がこのように書物にする必然性を感じられないのでもある。

とはいえ、これもまた記号の集積であり、
それをよく承知しているからこそ溺れそうになりながらも
書き続け、読み続けたのではないか、僕たちは。

レビュー投稿日
2011年3月29日
読了日
2011年3月27日
本棚登録日
2010年5月6日
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