カフカの有名な不条理小説。読了は10年ほど前だが、印象深い小説であったことを憶えている。
突然変身したアレに対して、本人も含めて家族にもそれほど驚きが大きくないのに違和感がある。(笑)だが、それは無理にアレに変身しなくても、「変わり者の引きこもり」「うつ」になったなどと言い換えても良いわけで、「変身」は事態を面白く引き立たせあぶりだすための寓意だからであろう。
当然のことながら貴重な体験をしている主人公の葛藤の描写は大変に面白い。だが、主人公もさることながら周囲の家族の群像劇が秀逸で、わけても妹のこの事態への対処と、最後の移り身の早さにはとても注目できる。そのまま現代家庭の描写と言っても通じる小説なのではないだろうか。現代社会における家庭の不条理さをえぐる名作。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説など
- 感想投稿日 : 2011年1月30日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2010年1月1日
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コメント 2件
lacuoさんのコメント
2017/08/23
mkt99さんのコメント
2017/08/27