オー!ファーザー (新潮文庫)

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本棚登録 : 8983
レビュー : 756
著者 :
花さん  未設定  読み終わった 

高校3年生の一人息子、由紀夫には4人の父親がいる。

父親からの干渉が鬱陶しく感じる年頃にも関わらず、個性的な父親“達”に囲まれるという少し特殊な生活を送っている由紀夫。気さくに話しかけてくれる女友達や「殿様」というあだ名を持つ友人にも囲まれながら、騒々しくも平穏な日々を過ごしていた。しかしながら、彼を取り巻く日常は徐々に不穏な背景を持つ事件に侵食されていく。



とにかく、父親×4なので、彼らの考えや言い分も様々あり、個性も性格もバラバラで、父から子に教えてあげられることも×4、何か議論になると父親からの意見が×4、叱られる時も×4、褒められる時も×4と、一般的な家庭に生まれたならば1人に対して1人の父親。という当たり前の構造に、4倍の熱量が加わってきて愉快な化学反応を起こしている。

作品の設定が設定なだけに、コメディ感が強くて、クスッと笑える場面が所々にあって面白かった。子は父親の姿を見ながら成長していくと言うけれど、由紀夫は一体どんな風に成長していくんだろう。成人になっても相変わらず、影からはこっそりと沢山の父親が見守っていそう。側から見たらシュールだけど、大切に育てられていることの証だと思う。



個人的に、最後まで由紀夫と血の繋がりがある父親が4人のうち誰だったのかが語られないのがよかった。実は4人のうちの誰でもないのかもしれない、(奥さんの方にもまだまだ秘密がありそうで…笑)

これからも、騒がしくて暖かいこの一家の雰囲気が続いて欲しい。

レビュー投稿日
2019年5月11日
読了日
2018年9月25日
本棚登録日
2018年9月5日
3
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