あの緻密さ執拗さには何らかの念が裏付いているという考えは解るが、それにしたって話も雰囲気も極端に鬱で辛気臭すぎる。そしてその極端な辛気臭さを演出し過ぎ。実際にあった事を取り込んで人物造形を行ったのは分かるが、絵との繋がりがこじ付け臭いというか、画道や画力について主人公が若冲なのにろくに頭割いてないし、動植物を好んで描いた理由やあの絶妙だったり軽妙だったりするデフォルメセンスの出所とかにも触れないし、描き方を試行錯誤する場面すら特に無く、どうも釈然としない。辛気臭さと主軸にしてる事柄(贋作師との関係)に拘り過ぎてないか?絵師“若冲”の話を読みたかった身としては読んでる最中ずっと不満が燻る(せめて「等伯」レベルのものが読みたかった…)最近若冲が見直されてブームだから流行りにのったor出版社からのせられた、結果出来上がったんじゃないかなどと変な邪推までしてしまうぐらいだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年7月18日
- 読了日 : 2015年7月18日
- 本棚登録日 : 2015年7月18日
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