正義の翼 警視庁53教場 (4) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年12月24日発売)
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本棚登録 : 198
感想 : 16
3

シリーズ第4弾。
毎回ベタベタの恋愛ネタで、もう次は読まないと思うけど、新作が出るとつい読んでしまう作家さん。
今回もまずは恋愛ネタから始まるのかと思いきや、五味が銃口を向けられるシーンから始まり、ちょっと意外だった。
秋に捜査一課に転属になることが決まっている五味にとって、最後の教場となる1300期。国家公安委員会の父を持ち、カリスマ的な深川を中心に一見まとまりのあるように見えた1300期の教場だったが、その裏側ではある一人の生徒が仲間外れにされ、同じ女警が2度も妊娠すると言う微妙な歪みが生じていた。
一方、調布署管内では「ザ・おまわりさん」的な警官が執務中に交番で殺害される。一見、人望が厚く見える被害者の裏の顔に気づいた綾乃は、五味のアドバイスを受けながら、独自の捜査を続ける。
関わりのないような二つの事案だが、今回の五味や綾乃は自分たちの警察としてのプライドをかけて、組織への抵抗を描いており、内容としては今までのシリーズの中で一番読みごたえがある。
ただ。
動機がどうしても性犯罪に絡むところがこの作家さんの受け入れられないところ。どの作品でも性に絡んでくるのは、さすがに飽き飽き。なぜ、女性の作家さんなのに女性を軽視するような内容ばかり描くのか?スケールの大きな事件を書ける作家さんなだけに、そこが本当に残念。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察物
感想投稿日 : 2019年12月30日
読了日 : 2019年12月30日
本棚登録日 : 2019年12月25日

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