どこかでベートーヴェン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2017年5月9日発売)
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本棚登録 : 2599
感想 : 185
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2017年300冊目!
節目の作品に何を読もうか、悩んだが、読み慣れたシリーズものに。
前作のショパンコンクールでの岬の様子を偶然目にした高校時代の同級生が、岬が高校時代に遭遇した事件を振り返る形で語られる。
豪雨被害の中で、クラスメイトが殺害される。孤立した学校から救援を呼ぶ為、一人学校を脱出した岬は殺人の容疑をかけられる。その容疑を晴らすため、独自の捜査に乗り出す岬。そんな岬に振り回せれる語り部の「俺」。
高校時代から、岬は岬らしい。事件そのものに派手さはないが、地方都市に強引に建設された高校の音楽科に通う生徒の心の闇が深い。その闇の深さに負けない岬と、その闇を問う担任の棚橋先生の言葉がとても重い。
努力することさえせずに、諦めてしまう人生を送っている人に読ませたい作品。
そして、ラスト。久々に「これぞ、中山七里!」と思わず声に出てしまった。中山七里はやっぱりこうでなくちゃ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 衝撃的!
感想投稿日 : 2017年12月26日
読了日 : 2017年12月26日
本棚登録日 : 2017年8月3日

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