プラナリア (文春文庫)

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本棚登録 : 3618
レビュー : 469
著者 :
modorigengeさん 小説   読み終わった 

 山本文緒、著。第124回直木賞受賞作。乳がんの手術を受けたことをアイデンティティーとしている女「プラナリア」、夫婦で和雑貨屋を経営していたが経営方針の違いから離婚する「ネイキッド」、夫のリストラからバイトを始めた妻にバイト先の男や娘の問題が迫ってくる「どこではないここ」、OLと心理学を専攻する大学院生の恋の不穏な行先「囚人のジレンマ」、居酒屋に居座るようになった占いが特技の女と店の主人との関係「あいあるあした」の五篇を収録。
 女性的な心理がリアルだと感じた。特に、なんとなく嫌な人間というか、露骨な悪人に比べて印象が薄くなりがちな人達の描写がうまく、本当にどこかにいるような気がする。さらに、金や仕事のない人達の状況が伝わってきて、非常に身につまされる気分になる。ホームレスほど貧困に陥っているわけでもないが、精神的にはそうなりかけている人。
 全体的に読後感はよくないが、「あいあるあした」だけは少し異質で、これを最後にもってきたことで多少救いを感じる。こういう愛嬌がある人はどうしても憎めないな、と思ってしまった。

レビュー投稿日
2013年11月27日
読了日
2013年11月27日
本棚登録日
2013年11月27日
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