シリーズ4作目。舞台は戦前、日本と魔都・上海で大導寺の呪われた血が蠢く。<br>笑ちゃんお仲間…!所謂一般の道から少しでも外れた人たちには生きづらい時代だったのかもしれないが、現代を生きる私たちから見ると、たおやかで雅やかで頽廃的な美しさを纏った彼らの時代はもう決して見ることが出来ぬ夢のよう。全編を通して、笑子の視線を介した乙音の姿が描かれるわけだがその姿さえ曖昧で、それがいっそう淫靡。フジョシによるフジョシのためのファンタジー、といってしまえばそれまでだけど、そういい切るには勿体無いほど面白く、哀しく切ない恋の物語。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説/エッセイ
- 感想投稿日 : 2007年11月23日
- 読了日 : 2007年11月23日
- 本棚登録日 : 2007年11月23日
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