罪が連鎖し闇は繋がる。犯罪に足を踏み入れるきっかけなんて、ほんの些細なものなのかもしれない。状況描写の細かさはさすが。破滅への疾走感が半端ない。様々な危険や思惑や想いを孕みながら進んだ先に見える光り輝く金塊。札束ではなく黄金。
高村作品に共通するモチーフのひとつにキリスト教があるが、闇の世界を生きるしかない男たちの中に神の存在が見えることで、それが作品の一筋の光にもなっているんだと思う。
堕ちゆく過程で出会う束の間の安寧に心ときめくわ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説/エッセイ
- 感想投稿日 : 2008年10月8日
- 読了日 : 2008年10月8日
- 本棚登録日 : 2008年10月8日
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