祟り婿 古道具屋 皆塵堂

  • 講談社 (2015年5月13日発売)
本で見る
3.60
  • (5)
  • (30)
  • (29)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 174
感想 : 41
3

978-4-06-219499-0
c0093¥1500E

祟り婿(たたりむこ)
ー古道具屋 皆塵堂 5 ー 

著者:輪渡颯介(わたり そうすけ)
装画:トミイマサコ
発行所:株式会社講談社

2015年5月12日 第1刷発行
------------------
もくじ
・質屋蔵 (初出 メフィスト2014 vol3)
・衝立から覗く顔
・幽霊屋敷 出ても見ぬふり
・六連屋と妖刀
・刀を折る者

主な参考文献
初出 質屋蔵 メフィスト2014vol3.
   他の作品は描き下ろし

-------
手にした理由
「古道具屋 皆塵堂」のシリーズ1巻目を読んで、面白かった。このシリーズは10巻まであるようです。1~7までは単行本と文庫版 8~10までは文庫版だけの様子。
順番通りに読みたかったのだけれど、手元に近くあったのは5巻に当たるこの本でした。
また、このシリーズは皆塵堂が舞台のようですが、登場人物は入れ替わるようなので、一巻でメインに出てきた(色々見えちゃう)太一郎ではなく別のキャラクターが出てきて回るようなので、順不同で読んでみることにしました。

----------------------------
登場人物だけが同じ人、同じ役柄で関連のない流れの設定かなと思っていたら、一冊で流れに沿ってキャラが動いていました。
終わり方は、これでよしという感じで、嫌な気持ちがせず。読後本を閉じて余韻を楽しめました。

このシリーズは10作品あり1巻目を読んで、次にこちらを手にしましたが、順番通りに読めるなら、そのほうが良いです。
5巻目に当たる「祟り婿」には「連助」なるキャラが登場します。この巻は「連助」を軸に展開しますが、唐突にそこ(皆塵堂)にいるところからスタートなので、読み勧めていくと、ふ~ん・・・。程度の納得感ですが、なぜこの人のために周りが動くのかわかりません。
読み終わってからも、1巻目のようには腹落ちは無いです。私が読んでない2~4巻までの間でなにかフックが設定されていたのかもしれません。

1巻で軸になった「太一郎」は、そのキャラ立ちをそのままに、皆塵堂に関わってきますし、1巻で登場した人々もその役のままに出てきます。
----------------------------
羅宇屋(らおや) 羅宇は煙管のこと 羅宇屋はキセルなどを扱う店
胡乱(うろん)
仕舞屋(しもたや)居宅のこと、商いをやめて住まいだけになった家という意味合いが強い
俎板(まないた) 
照降屋(てれふれや)傘と雪駄の両方を扱うお店のこと、照っても降っても商売になる。

連助(れんすけ)霊や、祟など一切信じない(事にしている、生まれたときから婿の先が決まっている運命を持っている)
辰五郎(たつごろう)皆塵堂のご近所の米屋さん
清左衛門(せいざえもん)木場の材木商鳴海屋のご隠居で店の地主
峰吉(みねきち)皆塵堂の小僧、職人で商人
伊平次(いへいじ)皆塵堂店主、釣り好きで留守がち
鮪助(しびすけ)皆塵堂のネコ
長右衛門(ちょうえもん)本所林町の質屋、多丸屋の主
登世(とせ)質屋多丸屋の娘30代半ばくらい
太一郎(たいちろう)浅草安倍川町の銀杏堂(古道具屋、骨董に近い高価なものを扱う)憑き物を感知する
辰平(たつへい)蝋燭屋の隠居 碁盤・人形
くましち 本所花街の居酒屋 店主は熊七
巳之助(みのすけ)大工、腕っぷしは強い、猫好き独身
孫兵衛(まごべえ)
弥十(やじゅう)悪者、
おちか うっかり者の猫好きの娘、18くらい、容貌は豆だぬき的
了玄(りょうげん)やぶ医者、人として仁は厚い。
おつるちゃん 7歳伊勢佐木町の寿屋(照降屋の娘、了玄の患者
万平(まんぺい)おつるちゃんの祖父、旅先で死去
亀右衛門(かめえもん)寿屋の主、おつるちゃんの父
遥仙坊(ようせんぼう) 祈祷師--悪者 偽者
六連屋 日本橋の室町にある紅白粉を扱う大店、連助の婿入り先、一番番頭の家の子どもは男児しか生まれず、六連屋には娘しか生まれない、しかも婿は早死する。六連屋は娘に二番番頭、三番番頭の家から婿を取る、一番番頭の家の子(男子しか生まれない)を番頭として仕込み、一番番頭として店を切り盛りする。
忠兵衛(ちゅうべえ)六連屋の一番番頭。
六連屋の初代店主は元はお武家で初代が腰にしていた刀が六連屋に祟り、その早死する婿に決まっていたのが連助だった。

六連屋については メモへ

惣六(そうろく)寿屋の番頭 実は悪者 酒好きで散財
弥吉(やきち)元古道具屋 飲んで店を潰した
絵師 本名も通称も不明 画は上手い

捨蔵(すてぞう)博打で散財しその穴埋めを女房の嫁入り道具の鏡台を売払って捻出しようと嘘をついた。

忠七(ちゅうしち)六連屋の手代、忠兵衛の息子 猫がだめで逃げ惑う。太一郎に呪いの刀の処分を求める。

宮越雷蔵(みやこしらいぞう)手習いの市販をしている元武士、剣の腕は超一流、人柄も優れている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 91 文学—日本—小説
感想投稿日 : 2023年9月9日
読了日 : 2023年9月18日
本棚登録日 : 2023年8月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする