1Q84 BOOK 3

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本棚登録 : 16417
レビュー : 1751
著者 :
木魚曰さん  未設定  読み終わった 

きれいに終わった。きれいに終わり過ぎたかもしれない。二人は歪んだ世界の理から逃れた。確かにめでたい。
しかし著者が追求していたのは歪んだ世界からの逃れ方だったのだろうか。物語の主題は、無事に逃げられるか否かという事だっただろうか。
暴力、性欲、孤独、過激な宗教、といった人間の暗部を取り上げてはいたが、その大風呂敷は、BOOK1の豊かさから期待させたほどの高まりを感じさせないままに閉じてしまった気がしている。孤独、これは唯一きれいに包んでくれた。青豆の孤独も、天吾くんの孤独も、変質しないまま救いを得た、その過程は感動的な読書体験を提供してくれた。
そのほかのテーマは、確かに二人の個人を主人公にして考察するには大き過ぎるものなのかもしれない。きっともっと大きな主人公が必要なのだろう。マルケスが「100年続いた一家」を主人公に設定したのもそういう意図なのかもしれない。個人にできることはそれらから逃れること、そう考えると、ご都合主義的に思えるこの結末にも必然性があると納得できる。

レビュー投稿日
2019年4月18日
読了日
2019年4月18日
本棚登録日
2019年4月16日
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