木洩れ日に泳ぐ魚

著者 :
  • 中央公論新社 (2007年7月1日発売)
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本棚登録 : 1840
感想 : 312
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ミステリーのような展開でありながら、えぐいほどの心理描写が重く、息を詰めながら読んだのは、そのサスペンス性ではなく二人の緊張感が辛かったから。
ヒロとアキの男女の愛が、障害があってこそのものだったと分かるラストは、かえってホッとしたし、アキを解放したものが、死ではなかったのもホッとした。(死で解放される展開だったら救いがなかった)
でも、ヒロはどうなる?
最後、まどろみながら、もしこうだったら…という今では叶うことのない夢を見ていて、目覚めてから現実に帰って来られるのか。心に深い闇と暴力性を閉じ込めたまま、実沙子との幸せな結婚生活を送れるのか。
読者としては、ヒロとアキの未来に、穏やかな幸あれ、と願ってしまうのだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月25日
読了日 : 2017年8月25日
本棚登録日 : 2017年8月25日

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