チリンのすず (フレーベルのえほん 27)

  • フレーベル館 (1978年1月1日発売)
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感想 : 55
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哀しくやるせなくてつらい話だった。

狼にお母さんを殺された子羊のチリンが
自分を偽ってその狼に、弟子入りする。
そして、仲良くなった狼が
羊たちを襲うその時に、チリンは狼をやっつけるのだ。
そして、自分のやったことに後悔をして、
羊に戻れない自分を悔やむ。
哀しいお話だ。

例えば、誰かを憎んでいて、
その誰かが幸せなることは
避けたいけれど、
自分の手で不幸に陥れることは
自分を愛してくれる人を不幸にしてしまうことなのだろうか。

チリンのお母さんはこの結末をどう思っただろう。

憎しみを隠して心の平穏を保っていても、
奥底にに粘土のような泥が沈んでいる。

時々それが掻き混ぜられて舞い上がったら
心は澱んでしまう。そんな泥を抱えた人は
どうやって平穏を保ち続けたらいいのだろう。

舞がらないように気を付けて気を付けて
生きているけれど泥を取り除くことができないことも知っている。

やなせさん、凄いよ。

10年前に読んでたらどうしただろう、私。

許すってどういうことなんだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2016年2月19日
読了日 : 2016年2月19日
本棚登録日 : 2016年2月19日

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