十字架の王女 特殊捜査班カルテット3 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2015年11月21日発売)
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本棚登録 : 292
感想 : 32
4

いつのまにか出ていた完結編。
これだよこれこれ、と言いたくなるような大沢小説。
「マッカーサープロトコル」などという、いかにもありそうなネタ、荒唐無稽に見えていた敵(藤堂)の信憑性の持たせ方、ヤクザやはてはCIAまで出してくる展開のスムーズさ。
絶対の存在として描かれるカスミの設定も大沢さんらしい。

正直、1から3まではイマイチだと感じていたけど、この完結編で全部チャラ。面白かったです。

でもやはり、大沢作品全体とすると、真ん中くらいの出来なのでは。若い子とそれをサポートするオッサン連中、という構造で、作品をどうも当事者風に感じられなかったのが原因か。

情報機関とかこのあたりを使った小説書きとしては、やはり日本随一だなあ、と思わざるをえない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ハードボイルド
感想投稿日 : 2016年9月25日
読了日 : 2016年9月25日
本棚登録日 : 2016年9月25日

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