愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫 レ 6-4)

  • KADOKAWA (2001年9月21日発売)
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本棚登録 : 170
感想 : 17
4

パトリック&アンジーシリーズ第4弾。
今回ふたりのもとにやってきた依頼は、いなくなった子供を捜して欲しいというものだった。それはニュースでも散々報道されている事件だった。警察がそれだけ力を入れている事件に、自分たちが入ったとしても大したことはできない、金のムダになるだけだ、とふたりは断ろうとする。
だが、行方不明になったアマンダの伯母(彼女の夫の妹がアマンダの母、ヘリーンだ)の必死の頼みで、ふたりは引き受けることにする。

アマンダという4歳の少女を捜すことになるパトリックとアンジーは、捜査班の刑事、プールとブルサードと一緒に捜査を開始する。

そこから、ボストンを仕切るマフィアたちの勢力争いと麻薬取引などに話が発展していき、身代金を受け渡しに行くシーンがクライマックス。


……かと思いきや、そこからまた物語は急展開する。
そしてラストで判明するこの事件の真相は、何が正義で何が悪なのかを登場人物や読者に突きつける。

絶望的に救いのないラストシーン。
重く暗い物語に派手な銃撃戦の連続。その派手さが逆に物語を暗くさせていくという、不思議な効果を持っている。

発表された当時、大統領が夏のバカンスへ持っていく一冊として選ばれたという作品。
それほど、アメリカでは幼児誘拐や虐待が問題視されているということなのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ハードボイルド
感想投稿日 : 2015年7月25日
読了日 : 2008年6月14日
本棚登録日 : 2015年7月25日

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