レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

3.82
  • (170)
  • (252)
  • (169)
  • (41)
  • (12)
本棚登録 : 2206
レビュー : 177
著者 :
morikaraさん 高村 薫   読み終わった 

言わずと知れた高村薫の長編小説。
上巻ではレディー・ジョーカーの生まれる経緯から、巨大ビール会社社長の城山恭介の誘拐劇、新聞記者の奮闘など最初から盛りだくさんの内容。

久しぶりの合田との対面に、思わず内臓が震えまくった。
それから、「ああこれだこれ、合田のこの刑事にしてはあまりにも繊細で壊れやすいギリギリさと、それに絡み合うようにして彼を支える加納の、こちらもまた張り詰めんばかりの緊張感が高村薫なんだよ…!」と一人興奮しているうちに上巻を一気に読み終えてしまった。


本当に久々の高村作品で、訛っていた脳が彼女の独特の筆致の難解さによじれねじれしたが、それも一瞬で、グリコ・森永事件を髣髴とさせる不気味さと、とても一個人では敵わない大きなものの存在に翻弄されていく合田たち個人たちの息遣いに、すぐに引き込まれていった。

個人的には、物井のおっちゃんの中に潜む鬼の部分が、殆ど記憶さえない兄の清二という人間一人が怪文書の中に籠めた心情と呼応するようにして、フッと物井を突き動かすあたりが好き。

レビュー投稿日
2010年9月13日
読了日
2010年9月13日
本棚登録日
2010年9月13日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)』にmorikaraさんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする