『辺境図書館』に続く、皆川博子館長による読書案内の第二弾。未読の本はもちろん既に読んだものでも、皆川氏の引き出しから取り出された数々の記憶とあわせて語られる物語は実に魅惑的。国も時代も異なる『黄色い雨』(J・リャマサーレス)と『不穏の書』(F・ペソアに響き合うものを感じる、という指摘に改めて読み返したくなる。たおやかな語り口の中にある鋭い切れ味、時おり飛び出す茶目っ気も素敵で、ソローキンの『テルリア』を「くそ面白い本」と紹介しているのを読んだ時には何やら嬉しくて声が出てしまった。造本と装丁に前回同様ほれぼれする。(初出2017~2019)
<メモ>大濱普美子『十四番線上のハレルヤ』(国書刊行会)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年8月25日
- 読了日 : 2019年8月25日
- 本棚登録日 : 2019年8月25日
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