「異色作家短篇集」<世界篇>。先日読んだ<アメリカ編>はエンタメ系作家が多めの印象だったが、今回はノーベル賞作家が2人もいるほか、初めて知る作家も多くてよりディープなラインンナップ。
カイロの住宅地で謎の連続絞殺事件が起きるN・マフフーズの「容疑者不明」は、蟻地獄に足をとられてゆくような嫌な感触が残る。
嫌な感じと言えば、編者も警告している通りE・マコーマック「誕生祝い」が凄い。
一番のお気に入りはR・ディヴィスの「トリニティ・カレッジに逃げた猫」で、ゴシック小説流の大仰な言葉をしゃべる怪物ネコが最高だし、ラストに思わず噴き出す。ラストシーンは猫バスで脳内再生していました。
<メモ>ぜひ読みたい→「High Spirits」 by Robertson Davies。“……短篇集High Spiritsは、大学小説集であり、幽霊小説集でもある。世の中に、これくらい楽しくて、タイトルが暗示するようにご機嫌になれる幽霊小説集というものは、そうざらにはない”(編者解説より)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
怪奇幻想
- 感想投稿日 : 2020年7月26日
- 読了日 : 2020年7月26日
- 本棚登録日 : 2020年7月26日
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