本書の内容は、日本の海に漂流・漂着しているゴミ問題について。
ゴミが海洋生物に悪影響を与えていることや、地域によってのゴミの特徴、海外からの漂流物についてなどが書かれている。
世界の漂着ごみについて調査を行うために「すべての会場で、漂着ごみの回収後、細かい分類と数の計測がおこなわれ、アメリカの環境団体オーシャン・コンサーバンシーがつくった世界共通の「ICCデータカード」(日本では自国の漂着ごみの特性に合わせて若干アレンジしている)に結果の記入がなされる」(71p)という作業が行われている。
この作業をすることによって、これからの対策を考えられるので良い提案だと思う。
海に多く浮いているプラスチック片を減らすために次のようなものがある。
「グリーンプラとも呼ばれる「生分解性プラスチック」である」(214p)。「これは、微生物が分解可能な素材からできており、一定の期間、微生物が生存する土壌、海水、淡水などの環境下においておくと、分解がはじまり、最終的には水と二酸化炭素になってしまうものだ」(214p)。
このグリーンプラと呼ばれるプラスチックを使えば、海岸のプラスチックゴミが分解されてきれいになり、海洋生物が誤飲したりすることが減るので良い提案だと思う。
釧路の海岸の角などに浮いているごみは少し多いと感じたことはあったが、日本の海に漂流・漂着しているゴミがこんなにひどいとは思っていなかった。
海ゴミ―拡大する地球環境汚染にはこのように書かれている「現在のところ、ふつうの原料プラスチックが一キログラムあたり一五〇円前後なのに対し、生分解性プラスチックは三〇〇円から四五〇円と二~三倍である」(219p)と、海ゴミを処理するときの費用を考えるとグリーンプラを使うと良いのではないかと思う。
なぜなら、グリーンプラの値段が普通のプラスチックより高くても微生物が分解してくれるので、少しは処理費用が抑えられるからだ。
ボランティアで海岸の清掃をした際にゴミを処理する費用をボランティアの方たちが負担することになる場合があるということが書かれていたが、ひどい話だと思う。(さわやか 20150105)
- 感想投稿日 : 2015年1月10日
- 本棚登録日 : 2015年1月10日
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