死にたがりビバップ -Take The Curry Train !- (1) (角川スニーカー文庫)
- KADOKAWA (2017年8月1日発売)
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感想 : 3件
なんか全然だなと思ってちびちび読み進めていた作品だったけど、ラストは白眉で、どうせこういうオチだろうというオチであるにも関わらずぐっときてしまったので、これは小説としての凄みだと思った。最後の挿絵のクミンの表情も良すぎる。
正直物語の筋はあんまり関係なかった。ギャングが絡む事件の裏側も終盤ペラっと語られるけど、そこが面白いわけではない。
「終わりよければすべて良し」的なパワー系のエンディングは作品のテーマともがっちり噛み合って、読み終えてしまえばストンと腑に落ちる作品でした。
べき論で語られる人生観に辟易したり、キャラの区別がつかなくて何度も冒頭のキャラのイラストで確認したり、冒頭は表現が肩に力入ってて直接的すぎる心情表現ばかりだったり、それがいい感じにくだけてきたと思ったらさらにキャラの書き分けが怪しくなってきたり(キャラの書き分けが怪しい群像劇はしんどい)、さすがに童貞云々のくだりは胃もたれするしつこさだな、とか……。いろいろ読むのにしんどい部分が多くて、ウィットに富んだ会話の妙と人物のドタバタだけで読ませるにしてはパワー不足かなとも思っていたのですが、やはりラストの描写を見ると、いやいやそんなことはあるまい、これからもっと凄くなるだろうなと感じざるを得ませんでした。
次回作あるんですかね。あったらまた読みたいです。
あとがきがエモかったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
motoiの本棚
- 感想投稿日 : 2017年8月15日
- 読了日 : 2017年8月15日
- 本棚登録日 : 2017年8月2日
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