デルス・ウザーラ (完全期間限定生産) [DVD]

4.03
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本棚登録 : 58
レビュー : 14
監督 : 黒澤明 
出演 : ユーリー・サローミン  マキシム・ムンズク 
0.02さん セル購入(保有)   観終わった 

のどかな森に始まり吹雪の雪山、強風吹きすさぶ平野、暑い密林、山中の川、かと思うとロシア建築のきれいな家の中、と舞台が色々変わることもあり、退屈に感じるようなところはなかった。強風の平野で夜を越す蔵をつくるために、藁みたいな草を延々と狩り続ける数分のシーンとか、川の急流からデルスを救うために木を切ったり紐を作ったりするシーンとか、ドキュメントっぽく見えるところもあり、とてもおもしろかった。

観終わって思ったのは、これはのちの『乱』や『まあだだよ』でもそう見えたのと同様、監督自身の身の上や心境を反映した作品だったのではないかなと。
デルスの台詞にこんなのがあった。
「わしの銃は撃てば必ず当たった。でももう当たらない。
 猟ができずにどうやって森で生きていけばいい?」
黒澤明にとってこの作品が『どですかでん』の興行的失敗の後の作品であることや、その前後にも幾つかの企画が軌道に乗らなかったことなどを考えると、この台詞には切実なものがあるように思えてならない。
アルセーニエフの宅の暖炉の前で、じっとしているデルスの丸まった寂しそうな背中がそのままジーっと映されただけの数秒の沈黙のシーンにも、なんとも言えない監督の思いが窺えたような。そしてその延長でラストシーンのことを考えると、あの最後は監督の自戒なのか、理想なのか、などと考えてしまう。
アルセーニエフとデルスの関係を、三船敏郎と監督に置き換えてみるとまた様々に興味深い。最後に渡した「最新式の銃」はなんなのか。デルスはなぜそれを使わなかったか。

本来、アルセーニエフの役を三船、デルスを志村喬、とするつもりでいたという。黒澤復活を謳うならそれがベストキャストだったろう。構想通りの日本版が観てみたかったな。これはこれで良かったけれど。

レビュー投稿日
2018年9月8日
読了日
2013年4月12日
本棚登録日
2018年9月8日
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  • 2014年1月3日

    再読しました。

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