フレッチ 殺人方程式 (角川文庫 (6235))

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1975年アメリカ探偵作家クラブ賞受賞
原題は『FLETCH』

アーウィン・フレッチャー、通称フレッチは、アラン・スタンウィクから自分を殺してほしいと依頼される。
癌で余命半年と宣告されていて、苦しまずに死にたいが、保険金を家族に残すために自殺はしたくないという。
翌週の木曜日に実行する手はずで、逃走方法も確保していると話した。

実はフレッチャーは新聞記者で、海岸地区の麻薬密売ルートの取材で麻薬中毒の浮浪者を装い潜入調査をしていた。
興味を持った彼は、麻薬捜査と並行して調査を始める。
スタンウィクはコリンズ航空の社長の一人娘と結婚し、<コリンズ・エビエイション>の取締役副社長として実権を握っていた。
彼が死病にあることが世間に知られると、経営陣は大混乱し、財政危機に陥る可能性があった。

スタンウィクは6週間ごとに自家用ジェット機で両親の家を訪問していた。
だが、スタンウィクの妻と義父は、彼は両親と疎遠であると話した。
疎遠の原因は、父親が息子にボクシングを強いたからだというが、当の父親は彼にボクシングをやめるように説得したという。
また、スタンウィクは両親に孫がいることを話していなかった。

スタンウィクはネバダに牧場を買うために、株を処分して頭金を用意したが、地元の不動産屋は牧場購入の引き合いはきていないという。
スタンウィクを尾行したところ、月曜と水曜は仕事だと偽って、テストパイロットの夫を事故で亡くしたサンドラ・フォークナーと密会していた。
スタンウィクの妻は、彼とフレッチの骨格がそっくりだと話した。

一方、海岸地区では、麻薬の売人ファット・サムが浜から動かず、誰とも接触せずに、麻薬を入手していた。
ガミー・モンゴメリーという少年が、父親が大物だという理由で、毎週、警察署に連行され訊問されていた。


<解決編>

フレッチは麻薬の供給元はカミングス警察署長だとにらんだ。
そこでファット・サムの宣誓証言書を得たと偽り、モンゴメリーに真相を聞く。
カミングス署長は月に1度、メキシコから麻薬を持ち込んでいた。
税関対策のため私用車に<警察署長>というプレートをつけ、屋根には回転灯まで装備していた。
モンゴメリーは毎週、署へ連行され、署長の部屋で金を渡して、麻薬を受け取っていた。

ファット・サムもモンゴメリーと同様、署長に脅かされて麻薬売買を続けていたと証言した。
二人とも報酬は自分が仕様するの麻薬のみであった。
ファット・サムは署長自筆の<モンゴメリーを運び屋に仕立てる>という手紙を証拠として渡した。

一方、スタンウィクの父親は、息子がボクシングを辞めた原因はサリー・アンとつきあいだしたからだと語った。
彼女はごく最近離婚し、子供とともに町から去ったという。

スタンウィクはフレッチの名前で、リオ・デ・ジャネイロ行きのチャーター機を手配していた。
フレッチはスタンウィク邸に忍び込み、銃に実弾がはいっていないのを確認した。

フレッチは、カミングズ警察署長が<海岸>地区における麻薬類の不法売買に関与している証拠物件を地方検事室へ送付したという記事を書いた。
そして、友人の地方検事、オルストン・チェンバーズにカミングスの逮捕とモンゴメリーとファット・サムの保護を依頼する。

そして、8時半にスタンウィク邸に行き、スタンウィクに素性を明かし、「夜中までに差し止めなければ、これが関係者に届く」と手紙を渡す。
それには、「スタンウィクはフレッチを殺害し、フレッチの名前でチャーターした飛行機で彼のパスポートを利用して、リオ・デ・ジャネイロに永住する覚悟である。現地ではサリー・アンとその息子と合流予定である。ネバダの牧場購入の頭金300万ドルを持っていく」とあった。

フレッチが計画を暴いて帰ろうとしたとき、部屋がくだけ散り、スタンウィクが胸を撃たれて倒れた。
尾行していたカミングズ警察署長が、スタンウィクをフレッチと思って撃ったのだった。

フレッチはスタンウィクの逃走資金300万ドルを持ち去り、新聞社にスタンウィク殺害の記事をタイプさせると、チャーター機でリオ・デ・ジャネイロに向かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年2月21日
読了日 : 2013年2月21日
本棚登録日 : 2013年2月13日

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