新版暗号技術入門 秘密の国のアリス

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本棚登録 : 662
レビュー : 61
著者 :
mshibataさん  未設定  読み終わった 

暗号化や電子署名といった情報技術上のセキュリティについて一通りの知識が得られる入門書。

前書きが不必要に長かったりせずタイトな説明になっていて、数学やプログラミングの基礎知識がある人が手早くセキュリティについて学ぶのによいと思う。参考文献も挙げられているのでさらに知りたい人が続けて読むといい本もわかる。

実際にどのような実装が使われてるかについては GnuPG とか SSL/TSL くらいしか出てこないので、技術書のなかではやや数学寄りかもしれない。PDF やコードの署名とか、S/MIME の例が挙げられててもよいのでは。

ところで、この本では "decryption" の訳語として一貫して「復号化」が使われている(「復号ともいう」とは書かれている)。暗号化と対になる操作は「復号」で「復号化」ではないというのは厳しく言う人もいるけれど(例: http://kei-sakaki.jp/2013/08/09/encryption-and-decryption/ )どうなんだろう。

ITのセキュリティというのはけっきょく「技術的(数学的)な操作で安全性や信頼を人が把握できる範囲の情報に落とし込む」ことだと思う。特定のテクノロジを使っているから安全なのではなくて、それを使えば○○をチェックすることで安全だと判断できるようになる、というような性質のもの。これはセキュリティに詳しくない人びとがもっとも陥る錯誤のような気がする。最終的に信用できるかどうかを判断するのはどの技術でもひじょうに社会的というか人間的な要素だというのがたびたび書かれているのは大事なこと。

レビュー投稿日
2015年6月7日
読了日
2015年6月7日
本棚登録日
2015年6月4日
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