明治維新と幕臣 - 「ノンキャリア」の底力 (中公新書)

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本棚登録 : 187
レビュー : 18
著者 :
showさん 歴史   読み終わった 

江戸幕府が倒れ、明治新政府が樹立する。日本史をならった人ならば、誰でも知っている歴史的事実である。しかし、実際に事務仕事を担当していたのは誰なのか?という問われたら、そのことに答えられる人はおそらくほとんどいないであろう。本書ではその答えを「幕臣」に求める。歴史の大事件の陰に隠れてはいるが、明治新政府を支えた幕臣たちに光を当てようとした一書である。

ただ、正直いってタイトルに問題あり、ではないかと思う。「明治維新と幕臣」というタイトルながら、第1章と第2章は江戸幕府の話で、明治維新の話とは言い難い。第3、4章はほとんど政治過程史の叙述といってよい。本書のタイトルとすっきり合致する内容は5章、6章だけである。

1章、2章が5、6章の「前フリ」になっているならまだわからなくもないが、一読した印象ではそれほど関連性を感じることができない。江戸時代の官僚に行政的能力がある、ということが重要なのだが、そのこと以外のこと―江戸時代の官僚システムのこと―を、1、2章では述べているので、なんともつながっていないような感じなのである。そこに加えて3,4章で政治過程が入ってくるものだから、ますます主題が遠のいているように感じられる。

個人的には、5、6章に出てくる「有名でない官僚」たちの生き様、その後をもっと知りたかった。というか、そういう本だと思っていた。まあ勝手に期待しておいて、それと違うからこの本はダメ、とまで言うつもりはないが、でもやっぱりこの本のタイトルは誤解を招くんじゃないかな・・・と思う。

レビュー投稿日
2016年1月13日
読了日
2016年1月8日
本棚登録日
2016年1月13日
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