〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性

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レビュー : 45
著者 :
showさん 社会科学   読み終わった 

以前挫折したが(長すぎる…)もう一度チャンレンジ。それでも結局1ヶ月くらいかかって読んだ。途中で何度も挫けそうになった。

55年までの「第一の戦後」の誤解…という理解は、かなり面白かった。「第二の戦後」にあたる人が、自分の生きている時代の言葉に拘束されて過去を批判することに無自覚である、という指摘は、痛快でもあるし、身につまされるものでもあるなあ。気をつけたい。

多種多様な戦争体験をそれぞれ重視しつつ、なおかつひとつのその時代の「心情」に迫ることは、とても難しいことだと思う。とはいえ、各人バラバラな体験を、追体験していくことの困難さを「第二の戦後」世代の批判として向けつつ、「第三の戦後」世代である著者は、「第一の戦後」世代と「第二の世後」世代の追体験を敢行しようとする。要は、著者が吉本や江藤に「戦争体験がないじゃないか」と批判することは、著者に対しても「お前も戦争体験してないし、安保も体験してないじゃないか」と同じ刃を向けられることを意味していないのだろうか。

ただ、そういう批判があったとしても、「追体験しようとする営み」そのものが大切なのかな、とは思う。人間の認識は不完全、と著者も書いていたけどそれはまったくその通りで、だからこそ、諦めてしまうのではなく、努力を続けることが、他者とのつながりを生む上でも重要になってくるんだと思う。

そういうことを書いていたような気もするが、なにせ読むのに時間がかかったので、内容をまるで理解していないのだった…。

それにしても、史料がたくさんですごい。史料が体系化・理論化されているのかどうかはよくわからんが、とにかくなんだかよくわからんがすごい迫力で迫ってくることは間違いない。鋭利な刃物でスパっと切られる、というより、鈍器でボコボコに殴られる、という感じかもしれない。

レビュー投稿日
2008年4月27日
読了日
-
本棚登録日
2008年4月27日
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