原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―

著者 :
  • 明石書店 (2012年1月7日発売)
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本棚登録 : 519
感想 : 64
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 自分の本棚の分類では「原発問題」というカテゴリーに入れたけれども,本書は,モノの考え方に関するとても大切な視点を与えてくれる本です。
 特に,専門家という人たちの「傍観者の論理」「欺瞞の言語」を鋭く見破る眼を持たないと,もう一度,あの原発事故と同じような目に遭うかもしれません。
 先日の武田邦彦講演会で,原発村の社員らしき人が,「武田先生の講演は東大話法だ」なんて言って内容を批判していて,そのときは,この本を読んだのかなあと思いました。ま,新聞にも取り上げられていたのでそれを読んだのかもしれません。だって,本書を読めば,その質問をした電力会社の人は,自分の立場に立って,電力会社社員としての役目を果たそうとしている意見だったからです。そういう立場で考え行動することが,結果に対して如何に無責任になってしまうのか…も本書で述べられています。
 本書のタイトルにもある「東大話法」の話も確かに面白いですが,私は,第4章の「役と立場の日本社会」が特に共感できました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原発問題
感想投稿日 : 2012年5月27日
読了日 : 2012年5月27日
本棚登録日 : 2012年5月27日

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