天動説が信じられていたころの話を,素敵な絵と文章で綴った絵本。安野光雅さんの科学への愛が感じられます。この本が扱っているのは天動説。地動説ではない点がユニークであり,安野さんのメッセージでもあります。
安野さんは,「解説とあとがき」で次のように述べています。
迷信の時代の人びとは、今から思うとたくさんのあやまちをおかしました。しかし、それは今日の目で見ているからであって、当時の考え方からすれば、むしろ正しいことだったといえる点もあります。また、天動説を信じていた昔の人びとがまちがっていたことを理由に、古い時代を馬鹿にするような考え方が少しでもあってはいけません。今日の私たちが、私たちにとっての真理を手に入れるために、天動説の時代はどうしても必要だったのです。(「解説とあとがき」より)
天動説をバカにしている現代の人たちが,星占いや血液型性格診断や今日の運勢に一喜一憂している。こんな姿を中世の人たちが見たら,「なんだ,オレらよりも迷信信じているじゃん」と言って笑うかもしれませんね。だからこそ,今一度,天動説の時代を体験してください。みんな,真剣だったんだからね。
そうそう,絵本の工夫として地面の描き方に気づきました。最初,平面だった地面が,だんだんと曲面と成り,そのうち球体になっていきます。宇宙から地球に向けられているカメラが,ワイドになっていくのです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
科学読み物
- 感想投稿日 : 2021年2月17日
- 読了日 : 2021年2月16日
- 本棚登録日 : 2021年2月16日
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