息子が読んだことがないというので買ってきて先に読了。ヨーロッパ精神史を一望すると、表層としてのキリスト教精神の古層には、キリスト教が征服してきた異教世界が広がっていることがわかる。この異教世界は、現代も豊穣なファンタジーを提供してくれる一方で、キリスト教秩序が破壊される恐怖をも生み出してきた。この点に興味を抱いて学生時代から(学問としての)魔女狩り、魔女裁判についての文献を猟歩してきたが、改めてこの『デビルマン』を読むと1970年代によくこれほどレベルが高い物語を描けたものだと驚くばかりだ。ぜひ『魔王ダンテ』とセットで読んでもらいたい。なお、この「新装版」は2巻から3巻にかけて『新デビルマン』が挿入されており編集の意図が不明である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2020年12月17日
- 読了日 : 2020年12月9日
- 本棚登録日 : 2020年12月13日
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