日本美術の歴史

著者 :
  • 東京大学出版会 (2005年12月9日発売)
3.73
  • (27)
  • (33)
  • (59)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 592
感想 : 37
3

言及されている作家や作品が全て図版で示されているわけではないところが読んでいてストレスになる。時代の流れを読み物としてまとめているというよりは、作者作品を時代に当て嵌めての説明がどんどん続いていくため読みやすいわけではない。まさにあとがきで示されているように「教科書」風だ。

日本の土着の美意識に外部の文化が与えたもの、それを咀嚼して美意識を色々な方向に先鋭化していく、そんな過程が繰り返されていくと感じる。絵画の図版を見ていくと仏教画や中国からの影響を取り入れつつ江戸末期に円熟を迎えることを限られた作品の小さな図版からも感じることができる。その後の西洋美術の取り込みは必ずしもうまくいかなかったように見える。現代に至るアニメ、マンガの日本的な表現はどのようにつながってきているのか、江戸の頃の要素と映画的な動きの要素の組み合わせのように感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月20日
読了日 : 2021年2月20日
本棚登録日 : 2021年2月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする