気づくと会話文が増え、ドレフュス事件を筆頭に社会的な色彩も増して情景や感情の描写が多かった前二篇とは少し雰囲気が変わった印象。ヴィルパリジ夫人の会合はドストエフスキー的でもあるごちゃごちゃ感がありそこから物語のうねりが出てくるのもこれまでとは違う感覚。
新しい家での牧歌的な家庭的な始まり方とゲルマント家への物理的接近。しかしゲルマント侯爵夫人は近くて遠い。ラ・ベルマの出演する劇場でも気になるのは既にラ・ベルマではなく侯爵夫人。サンルーに会うためにドンシエールへ。サンルーを通じてのゲルマント侯爵夫人への接近の試みとドレフュス事件で二分される社会への関与。電話を通じて感じる祖母の衰えはそれと告げずに帰った家でみた年老いた祖母の姿に認められる。
サンルーとラシェル。ヴィルパリジ夫人の家での会合。ノルポワ氏の裏表。ゲルマント夫人との距離。皆のサンルーへの失望。ユダヤ人であるブロックはドレフュスを擁護し不興を買う。スワン夫人の訪問。それによって思い出されるシャルル・モレルの訪問と幼い頃に偶然立ち入ったアドルフ叔父とオデットの関係の認識。
サンルーの母親マルサント夫人への憐憫からラシェルとサンルーを別れさせた方がよいと考え始める。
シャルリュス氏の謎の結社についての申出。
祖母の体調悪化。無理やり連れ出したシャンゼリゼでの祖母の発作。
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- 感想投稿日 : 2019年12月23日
- 読了日 : 2019年12月23日
- 本棚登録日 : 2014年2月15日
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