失われた時を求めて (5) (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1993年1月1日発売)
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感想 : 6
5

第一章
祖母の死。悲しい場面ではあるが美しく、時に滑稽に情景が描かれる。最期には生命が失われるとともに、祖母の肉体からは人生の幻滅も去ってゆく。残された祖母は微笑みを浮かべた汚れのない乙女のような顔をして横たわる。

第二章
アルベルチーヌとの突然の再会。霧の夜ステルマリア夫人のすっぽかしからのサンルーとの晩餐。パルマ大公夫人を迎えてのゲルマント侯爵夫妻の晩餐会。ゲルマント侯爵夫人の才気。その後のシャルリュス氏訪問。意味のよく取れないシャルリュスの言動。ゲルマント大公夫人からの誘い。この誘いを確かめるためにゲルマント侯爵夫人を訪ねる。再会したスワンは病に侵されている。ゲルマント侯爵夫妻はスワンを置いて出かけていく。

第一章は短く密度が濃く死の場面が美しく描かれる。第二章は特にゲルマント侯爵夫妻宅での社交の場面が長くゲルマント侯爵夫人の才気走った様子が延々と続く。その後のシャルリュス氏の態度もよくわからない。この後解決されるのだろうか。最終盤は次編への若干の仄かしをしながら、突然もう先の長くなさそうな状態でスワンが現れるところが哀しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月24日
読了日 : 2019年12月26日
本棚登録日 : 2014年2月15日

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