男性の牙城というイメージの強い古書業界で活躍する、女性の古書店主たちを取材したエッセイ本。
実店舗でインターネットで、品揃えにもインテリアにもイベントにも、豊かな発想と個性を煌かせる彼女たちの『古本の道』を温かく見守る好著。
それは女性の生き方に投影される、本と人、人と人との繋がりの妙を顧みる過程でもある。
「火星の庭」に至るまでの波乱万丈さにおののき、「石田書房」の命名の由来にじわりと涙し。
何より一番驚いたのは、学生の頃にアルバイトしていた店が登場したこと。
当時は深く知らなかった店主の素顔を、この本で初めて知った次第だ。
本の世界と実世界が思いがけず直接繋がった不思議さに、自分もまた、本が取り持つ縁の輪に連なっていることを実感する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
評論・エッセイ・ルポルタージュ・伝記
- 感想投稿日 : 2014年3月31日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年3月31日
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