女子の古本屋 (ちくま文庫 お 34-5)

著者 :
  • 筑摩書房 (2011年6月10日発売)
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本棚登録 : 353
感想 : 41
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 男性の牙城というイメージの強い古書業界で活躍する、女性の古書店主たちを取材したエッセイ本。
 実店舗でインターネットで、品揃えにもインテリアにもイベントにも、豊かな発想と個性を煌かせる彼女たちの『古本の道』を温かく見守る好著。
 それは女性の生き方に投影される、本と人、人と人との繋がりの妙を顧みる過程でもある。
 「火星の庭」に至るまでの波乱万丈さにおののき、「石田書房」の命名の由来にじわりと涙し。
 何より一番驚いたのは、学生の頃にアルバイトしていた店が登場したこと。
 当時は深く知らなかった店主の素顔を、この本で初めて知った次第だ。
 本の世界と実世界が思いがけず直接繋がった不思議さに、自分もまた、本が取り持つ縁の輪に連なっていることを実感する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論・エッセイ・ルポルタージュ・伝記
感想投稿日 : 2014年3月31日
読了日 : -
本棚登録日 : 2014年3月31日

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