よみがえる脳 脳は環境の変化に対応し、何歳になっても、絶えず変わりつづける (サイエンス・アイ新書)

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  • SBクリエイティブ (2010年9月16日発売)
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脳内では神経幹細胞が誕生しつづけ、神経細胞やグリア細胞などに発達する。神経細胞へと発達するのは、仕事をする神経細胞で、それ以外は死んでいく。神経細胞と神経細胞のつながりであるシナプスも、使われれば強まり、使われなければ死んでいく。(ヘッブの法則)
神経細胞が生き残り、脳の回路となるには、軸索に信号が流れる必要がある。軸索に信号を流すには、脳に刺激を送ること、すなわち、学習や経験が必要である。

まずエクササイズで神経細胞をたくさんつくり、つぎに勉強で神経細胞を回路に組み込む

エクササイズの効用は、海馬への血流量が2倍に増えることで(1)神経細胞を成長させる、(2)活性酸素によるダメージから神経細胞を守る
エクササイズの一例: 最大心拍数(220から自分の年齢を引いた数)の80-90%で走る
(2)のためのエクササイズとしては、1日30分のウォーキングor1.6kmのジョギング

私たちの毎日の行動によって、脳の特定の領域が広がったり、縮まったりしている。脳は、持ち主がよりひんぱんに使う領域に皮質(大脳皮質)の不動産を多く割り当て、あまり使用しない領域の不動産を減らすのである。
脳と行動は双方向なのである。

脳を変えられるかどうか、そのポイントは、ある事柄に関心を向け続けること、すなわち、心をある一点に集中させることである。
集中するための訓練として瞑想がある。サマタ瞑想(心を落ち着かせる)、ヴィッパサナー瞑想(物事をありのままに観る)がある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 4 自然科学
感想投稿日 : 2011年4月9日
読了日 : 2011年4月9日
本棚登録日 : 2010年12月2日

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