さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち

  • イースト・プレス (2022年1月18日発売)
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情熱は伝染する。最初はたった1人の情熱だったかもしれない。でもそれが周りにどんどん広がっていき、やがて大きな偉業を成し遂げる。

さば缶を宇宙食へ。

かつて教育困難校とも言われた学校で、それはただの夢物語だった。一人一人の力は小さくて、とてもそんな大きな夢を叶えられるわけはなかった。

でも、たくさんの生徒たちが少しずつ前へと突き進むことで夢は現実へと変わる。

子どもというものは、やはりどこまでも純粋で真っ直ぐなんだろう。学校の雰囲気が悪ければどこまでも悪くなるかもしれないし、逆に良ければ自発的に一生懸命努力をしてくれる。

人生経験の少ない彼らは自分の力だけで道を探すことは難しい。だからこそ周りにいる大人がどれだけ彼らを見てあげられるかでその先の伸び代は違ってくるのだろう。

本書で何度か出てくる「見取り」という言葉がすごく心に残っている。生徒が変わるきっかけとなる瞬間。それはとても些細なことで、注意深く見なければ見逃してしまうほどのこと。

しかし、その瞬間を見逃さずに捉えられるかどうかでその後の人生が変わってくるのだと思う。

さば缶を宇宙食にしたいと13年もの時間をかけてバトンを繋いできた生徒たち。その想いはもちろんだか、周りにいる大人たちの情熱がとても良かった。

教育書として良書。

エピローグでやられた!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年2月11日
読了日 : 2022年2月10日
本棚登録日 : 2022年2月9日

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