文句なく面白い人物評伝である。戦後の雑誌を語る上でもっとも重要な雑誌『暮しの手帖』を立ち上げ、活動してきた花森安治の思想と行動(やや奇矯なそれも含む)が活き活きと描かれ、読むものを引き込む。
また戦時中、「ぜいたくは敵だ」のコピーライターとしてもよく知られている花森の戦時の翼賛会での活動と戦後の活動の連続と断絶についての考察も興味深い。
ちなみに著者の津野海太郎氏も『本とコンピュータ』などの編集で知られた名物編集者である。名物編集者による名物編集者の評伝。面白くないはずがない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
人物評伝
- 感想投稿日 : 2014年7月19日
- 読了日 : 2014年7月19日
- 本棚登録日 : 2013年12月9日
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