星の巡礼 (角川文庫)

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レビュー : 96
murmurfyさん 小説   読み終わった 

アルケミストを読んで、パウロ・コエーリョという作家を知るために、もう1冊ぐらい読んでおこうと思い手にとった本。

もう7〜8年前になるが、自分もスペインでの巡礼(カミーノ)の経験があるので、もうこの本を一度読んで当時の余韻に浸ろうかと思ったが、その点でいうとあまりその期待に沿うような内容ではなく、最後までうまく内容に入り込めないまま進んでしまった。きっと、また読むタイミングが異なれば、また違うふうに読めるんだろう。
(それでいうと、映画「星の旅人」は結構、カミーノの追体験という意味でカタルシスがあったなあ)

全体のキーワードとしては、
自分の内なる声に耳を澄まし行動すること、
前兆を捉えること、
良き戦いを戦うこと、
自分は道を歩いているのではなく大いなるものに導かれて道を"歩かされている"ということ、などなど。
たぶん良き戦いを戦うということに、一番ピンと来なかったんだろうな。


とはいえ、中でも読んでいて最も印象的だったのは、巡礼が始まる前、ガイドのペトラスと出会ったときの彼の言葉だ。

旅や巡礼というものは、「再生」であり、「生まれ直す」のだということ。
言葉のわからない異国に降り立った旅人たちは、生まれてきた赤子のように、すべてのことを新鮮に、注意を払うようになる。そして赤子のような弱く脆い状態だから、誰か人の助けにすがりたくなるし、何気なく親切にされたことも、人生を通しても忘れがたい経験として記憶されるということ。

きっとこの言葉(考え方)は、また旅に出るときの自分が携えていく言葉の1つになるだろうと思った。


====以下、引用====

P.44
旅に出るときは、われわれは実質的に再生するという行為を体験している。今まで体験したことのない状況に直面し、一日一日が普段よりもゆっくりと過ぎていく。ほとんどの場合、土地の人々がしゃべっている言葉を理解することができない。つまり、子宮から生まれてきたばかりの赤子のようなものなのだ。だから、まわりにあるものに、普段よりもずっと大きな重要性を感じ始める。生きるためには、まわりのものに頼らねばならないからだ。困難な状況におちいった時、助けてくれるのではないかと思って、他人に近づこうとするようになる。そして、神が与えてくれるどんな小さな恵みにも、そのエピソードを一生忘れることがなきほどに大感激したりするのだ。
同時に、すべてのものが目新しいために、そのものの美しさしか見ず、生きていることを幸せに感じる。


P.162
彼はいつもそこにいて、彼が私をあちらの世界へ連れて行く時には、最も大きな罪、つまり、後悔をあとに残してはいけないよ、と言ってくれる
(彼=死)


P.286
人は、誰かが自分を待っている場所に、あるべき時に、必ず行き着くものだ

レビュー投稿日
2019年12月1日
読了日
2019年11月29日
本棚登録日
2019年11月12日
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