寺田寅彦随筆集 セット (岩波文庫)

制作 : 小宮豊隆 
  • 岩波書店 (2003年9月11日発売)
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本棚登録 : 110
感想 : 8

【2022年度「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
松本ますみ先生の推薦図書です。

<推薦理由>
寺田寅彦は夏目漱石の『吾輩は猫である』の寒月君のモデルとなった科学者です。
物理学者としては、X線に関する研究を行い、東京帝国大学理科大学教授を務めました。この研究で学士院恩賜賞受賞しています。
また、地震や災害に関する研究も多くしています。
しかし、彼の仕事の真骨頂は、その洒脱な随筆です。彼の理系の研究業績はすでに「古い」ものになっているでしょうが、彼の随筆に、現在の我々が読んでも舌を巻くような観察眼と鋭い分析を見出すことができます。
そこには読む人の心をとらえて離さない視点の新鮮さがあります。彼の文章は今でもまったく古くはありません。
理系と文系の間の垣根を現代のわれわれは高くしすぎたのではないでしょうか?
逆に約100年前に、寺田のように文学、哲学から最新の科学まで広範な知識をもちつつも批判的に考えてそれをわかりやすい文章に表すことができた教養人としての科学者がいたからこそ、日本の科学が発展したのだ、という考え方もできます。どの随筆も読んで楽しめることうけあいです。

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https://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00095459

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カテゴリ: 教職員おすすめ本
感想投稿日 : 2022年5月17日
本棚登録日 : 2022年5月17日

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