5年前にMBAを取得し、なかでもターンアラウンドマネジメントの授業に夢中になっていたのに、つい最近まで三枝匡さんのことを知らなかった。ただMBAで学んだ後に読む本書もなかなか味わい深いかもしれない。
・米国の経営手法が世界各地に伝わることで、いつのまにか米国的価値観までが世界中の企業経営者の心と行動の中に沁みこんでゆく=米国発のビジネス・ゲームが世界中に広まっていく
・日本における戦略的リーダーの不足の顕在化
→プロフェッショナルな職業が幅を利かせすぎると、弊害も大きくなる(米国にもその弊害がみられる)
→日本が米国のルールに染まりすぎてはいけない
→とはいえ、現状の日本は素人集団状態
・MBAで使うビジネスケースに不満を感じて執筆(経営者個人の苦悩を描いたり、途中のリスクを理論的に解析した点などが差別化ポイント)
米国・戦略コンサル・MBA礼讃でもなく、それらを単に批判するのでもなく、Yes/Noの二分法ではないところに、実際の経営経験を踏まえた説得力があった。
・「死の谷」
の話に言及されているのも、特徴的。「死の谷」を経験したからこそ、本書がうまれ、経営者を育成しようという原動力になったのではないか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス書
- 感想投稿日 : 2017年5月19日
- 読了日 : 2017年5月19日
- 本棚登録日 : 2017年5月17日
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